対策方針

わきがの対策方針

わきがであることがはっきりしたら、どのような対策・治療を行うかを検討しましょう。
医療機関で診察を受けるのであれば、医師とも相談して決めていきます。

わきがの原因でもみたように、わきがはアポクリン腺からの汗の分泌によって生じます。
そこで、対策には次のようなアプローチが考えられます。

1 アポクリン腺を破壊または除去する(根治療法)

2 わきがを発生させないために、制汗や消臭をする(対症療法)

3 アポクリン腺からの分泌物を改善させる(予防)

これらの方法を考えることで、わきがをコントロールできるようになります。
それぞれについて、大まかにみてみます。

アポクリン腺を破壊または除去する(根治療法)

根本的に原因となるアポクリン腺を、破壊したり、除去することによって、半永久的にわきがを治療します。
うまく処置できれば、わきがの発生をほぼゼロにすることができます。

根治療法は、手術をしない方法とする方法に大別されます。

手術をしない治療

電磁波を当てて、皮膚内の汗腺を熱によって破壊します。
傷跡が残らず、治療後の回復までの期間(ダウンタイム)がありません。
ただ、保険適用ではないので、治療費が高くなります。

手術治療

皮膚を切開して、アポクリン腺を取り除きます。
除去の仕方には、いくつかの方法があります。

完全に回復するまでには、腕の動きに制限があったり、ある程度の時間がかかります。
また、ひきつれなどの合併症が生じることもあります。

費用は、保険が適用されるものと、そうでないものがあり、方法によって差があります。

わきがを発生させないために、制汗や消臭をする(対症療法)

わきがの程度がそれほどでもない場合、あるいは程度にかかわらず「手術はこわいし、費用もかかるので、とりあえず簡単な対策を」という人には、市販の制汗デオドラントなどをおすすめします。

・注射で発汗をおさえる
発汗をうながす自律神経の働きを、注射薬で抑制します。
わきの複数箇所に行います。
6ヵ月くらい効果が持続します。

・処方または市販の制汗、消臭剤を使う
もっとも手軽な方法が、制汗、消臭剤をスプレーしたり、塗ることです。
程度に合わせて、さまざまなものがあり、市販のものであれば、すぐに使用することができます。

医療機関で処方される制汗剤もあります。

アポクリン腺からの分泌物を改善させる(予防)

食事、運動、精神状態などを変えることにより、汗の脂肪分を少なくしたり、余計な発汗を抑えるようにします。
ただ、効果は限定的なものなので、ほかの対策の効果を高める補助的な方法になります。